2017年4月15日土曜日

つながる美・引き継ぐ心展④(正法寺の帝釈天)

昨年行った滋賀県立近代美術館開催の「つながる美・引き継ぐ心展」ポスタ
ーの表紙を飾ったのが、この正法寺の帝釈天だ。像高1メートルの平安時代の仏像で胸元のフリルや衣文が美しく華麗に着飾った印象の帝釈天である。図録の解説を読むまで気づかなかったが、額に三眼をもつ密教系の帝釈天で頭部の毛筋彫りがきれいだ。張りの強い小鼻や、への字に結んだ口元などの表情からは、仏法の守護神としての意志の強さを存分に感じさせる仏像だ。この仏像は平成23年に韓国の国立中央博物館に出品され、滋賀の仏教美術の魅力を海外にも伝えたとのこと。時間がなくゆっくり鑑賞できなかったが、平成32年の新美術館での再会を楽しみに待つとしよう。




2017年4月9日日曜日

国宝阿修羅展の思い出②

平成21年4月東博で「国宝阿修羅展」が開催された。私とU案内人は阿修羅
ファンクラブに入会し、会員限定の夜間特別拝観でゆっくりと阿修羅を鑑賞した。「国宝阿修羅展」ではみうらじゅんがよく言う360(360度)で拝観でき阿修羅の隅々まですぐ近くで鑑賞できた。その後阿修羅は九州国立博物館に移動して展覧会が開催され合計100万人の来館者があったとのこと。最近NHKで「阿修羅1300年の新事実」という番組を視聴した。九州国立博物館が2月に発表した「阿修羅は合掌していた」という問題に関するCTスキャンやX線での映像がより詳しく紹介された番組だった。阿修羅は肩の心木が脱臼しているようにはずれていて、実際は正中線上で合掌した状態で制作されたとのこと。これは阿修羅の通説を覆す説だ。この春興福寺では「天平乾漆郡像展」が仮金堂で開催され私も快慶展のあと興福寺に行く予定だ。この機会に久々に阿修羅との再会を楽しみたいと思う。

2017年4月2日日曜日

特別展高麗仏画

先月のことになるが、根津美術館で定慶の梵天・帝釈天を見たあと開催中
の特別展「高麗仏画」~香り立つ装飾美を鑑賞した。この展覧会は古美術書「目の眼」で紹介され掲載の写真の素晴らしさに眼を奪われたため、先月行くことに決めていた展覧会だ。仏像展と違い派手さはないが、静寂した館内でじっくり鑑賞することができた。高麗王朝は10世紀から14世紀までの朝鮮半島を治めた王朝であつく仏教をうやまい高い美意識のなか華麗で繊細な仏画が生み出された。13世紀の頃の仏画であるため会場では作品保護のため照明が落とされていたが、保存状態のよい根津美術館の阿弥陀三尊や泉屋博古館の水月観音など特筆すべき仏画もあり展示が楽しめた。表現で注目されるのが頭上から足元を覆う白く透明なヴェールである。極細の白線を格子状に表す事で、下に書いた絵の発色を損なうことなく、奥行感を感じさせる超絶技法だ。帰りに根津美術館の日本庭園を散策して都会の喧騒を離れ静かな時間を楽しみ帰路についた。

2017年3月25日土曜日

西方寺の十一面観音特別開帳

山本勉先生のツイッターをチェックしていたら、横浜市新羽の西方寺にて修
理完成記念特別開帳が行われることを知った。根津美術館に定慶仏と高麗仏画を見に行く日の朝に横浜市営地下鉄の新羽の駅に初めて降り、西方寺を目指した。門前に早咲きの桜が舞い散る境内をすぎ、お寺に向かった。神奈川新聞で紹介されたらしく、すでに参拝者が数人いらした。観音堂の中を覗いてみると、光背と一体になった白木の十一面観音がいらした。無料で配布してある解説文を読むと東日本大震災での転倒で損傷した十一面観音を自立させるために光背との一体を図る修理を行ったとのこと。山本先生が修理にかかわったらしく江戸時代の修復でよく見かける顔の金箔は除去され平安時代の面影を今に伝えている。うららかな春の日差しの中思いがけずよい観音様に出会えて大満足で境内をあとに根津美術館に向かった。

2017年3月19日日曜日

再会ー興福寺の梵天・帝釈天

本日春爛漫の天気の中、仏像巡りに出かけた。横浜の新羽にある西方寺の十
一面観音特別開帳を見たあと、表参道にある根津美術館に特別展示の興福寺梵天・帝釈天と特別展『高麗仏画』を見に出かけた。根津美術館のエントランス奥にある展示室のガラスケースの中に仏師定慶作の梵天と帝釈天が展示されていた。定慶は興福寺の金剛力士や文殊菩薩などの作品を残した康慶一門の仏師で興福寺にしか作品が残っていない興福寺専属で活躍した。ひと目梵天の顔を見た印象はおおらかで優しい印象だった。徹底した写実表現に裏打ちされた美しさがあった。帝釈天は明治には顔のほとんどがない状態で修復されたため印象は梵天とかなり違う像になっていた。高麗仏画も気になったので、なごり惜しいが展示室をあとにした。