2017年6月18日日曜日

特別展「鎌倉の至宝~優美なる慶派のほとけ」①

先月のことになるが、特別展「鎌倉の至宝~優美なる慶派のほとけ」を見に
久しぶりに鎌倉国宝館に出かけた。特別展を見る前に同時開催している平常展示「鎌倉の仏像」を鑑賞した。鎌倉国宝館のHPで神奈川県立歴史博物館から仏像が4体来ていることを知っていたので注目していた。今回展示されていたのは県博所蔵の阿弥陀如来・保木薬師堂の薬師如来・宝生寺の大日如来の三体で県博所蔵の菩薩半跏像は展示されていなかった。特別展のコーナーに向かうと鎌倉教恩寺の阿弥陀如来及び両脇侍像と秦野金剛寺の阿弥陀如来及び両脇侍像が今回の展覧会のメインの展示になっていた。教恩寺像のガラスケースには「快慶」金剛寺のガラスケースには「定慶」と張った展示になっておりわかりやすかった。奈良で「快慶展」の仏像をたくさん見てきているので教恩寺像が快慶作とは思えなかったが、教恩寺は平重衡の伝説も残されておりいちがいに否定できなかった。今回の特別展は小規模だったが印象的な展示だった。

2017年6月11日日曜日

奈良西大寺展②(不空院の不空羂索観音)

奈良西大寺展には叡尊の弟子により復興された多くの寺院の仏像も出展さ
れており、不空院の不空羂索観音もそのひとつだ。不空院を知ったのはみうらじゅん・いとうせいこう氏の見仏記で、みうらじゅん氏のイラストから、いつかは拝んでみたい仏像のひとつだった。鎌倉時代の作で、一面三目ハ臂で高い髻を結い、顔を正面に向け、左右第一手は腕前で合掌し、他は蓮華・錫杖・羂索などを執り座している。見仏記によるといかにも慶派の作として座してながら動きを感じるとのこと。先日奈良の璉珹寺に参拝したときに奈良市のボランティアガイドに勧められたが、時間がなくお寺の訪問は出来なかったが、見仏記によると瀟洒なお寺だが、確かに不空院は仏像マニアの心をくすぐるお寺だとのこと。機会があればお玉地蔵の香薬師寺とセットで高畑あたりをそぞろ歩きたいものだ。

2017年6月4日日曜日

奈良西大寺展①

先週の日曜日、仏像クラブで三井記念美術館開催の奈良西大寺展へでかけた。開場時間の10時に入口の前に集合し、西大寺に関する動画を観賞してから展示室に入場した。入ってすぐは密教法具のコーナーで展示の目玉となっているのが国宝金銅透彫舎利容器だ。360に観賞でき、仏像クラブの面々も食い入る様に見ていた。次の展示室は西大寺の仏像のコーナーで、塔本四仏坐像の内釈迦、阿弥陀のみの展示であった。いとうせいこう氏が大好きな文殊菩薩や善財童子、最勝老人もよかった。最後のコーナーでは一門の仏像が集まっており、不空院の不空けんさく観音が素晴らしかった。鎌倉極楽寺の仏像も展示されており、充実した内容となっていた。展覧会観賞を終えて近くの和食屋で、展覧会図録を見ながら今見た名宝仏像について大いに語る仏像クラブの面々であった。

2017年5月21日日曜日

快慶展②遣迎院の阿弥陀如来

快慶展で楽しみしていたのが、お寺で非公開の仏像だ。遣迎院の阿弥陀如来もその一つで京都のお寺にひっそりと祀られいた。奈良国立博物館の山口学芸員によると快慶の三尺(約90センチ)阿弥陀は今知られているだけで15件あり、この仏像は醍醐寺弥勒菩薩の2年後に造られたとのこと。運慶を思わせるような肉感的阿弥陀如来で、快慶お得意の金泥下地上のキリかねが肉眼で確認できて素晴らしい美仏だ。多摩美術大学の青木先生によると遣迎院の阿弥陀如来の納入品結縁交名からは壇之浦で滅亡した平家一門から重源、栄西、歌人の西行の名まであるという。快慶展では結縁交名の実物も見ることができた。快慶を巡るネットワークは信西の盟友平清盛の一門から西行まで実に幅広かったことが伺えることに驚く。仏像の彩色の素晴らしさに立ち尽くし、いつまでも見たかったが他の作品も気になるので次の展示に向かった。

2017年5月6日土曜日

福智院の地蔵菩薩

快慶展の日帰り旅行を計画していく中で、当初から訪ねたいと考えたのが奈
良町の隣の福智院の地蔵菩薩だ。新TV見仏記でみうらじゅん・いとうせいこうが訪ねた像高2メータ70センチの巨大な鎌倉時代の仏像だ。拝観を希望するものは鐘を2度鳴らす段取りになっており、鳴らすと見仏記に登場した次世住の奥様が現れお堂をあけていただいた。丁寧にお茶を振舞いいただき地蔵菩薩の説明をしていただいた。見仏記によると地蔵菩薩の足の組み方は安座という形になっていて「すぐに立って救いに行く」という姿なのだという。慶派の康慶がリードして作らせたと言われ、肌色に赤い衣を着ていたらしかった。奥様の説明によると宣字座という箱型の台座は本来如来が使用するが福智院のお地蔵様は56億7千万年後に如来となることを約束されているいわゆる弥勒信仰のもとに許されているとのこと。光背は千仏光背で大小あわせて560体あり化仏6体と坐像本体を足せば567体になるという。化仏の太山王と閻魔大王も間近で拝観させていただいた。見仏記でこのお寺のことを知ったとお伝えしたところうれしそうにされている奥様の笑顔が印象的だった。いい仏像に出会い心穏やかになりお寺をあとにした。