2018年5月26日土曜日

東京港区のほとけさま

本日は仏像クラブで2回目になるが、港区の仏像巡りを行った。地下鉄白金
高輪駅から魚籃坂を登り魚籃寺へ。ガラス越しに魚籃観音を見て、そっけない住職より御朱印をいただき早々に三田を通って増上寺に向かった。初めて歩いたが三田の界隈は寺町となっていて多くの寺院が立ち並ぶ街だった。成行きで何軒かのお寺を巡り、東京タワーを見ながら増上寺へと向かう。本堂の「大殿」には戦後京都知恩院より遷座された室町時代の寄木造の仏像だ。法要中であり下外陣からの拝観となったが双眼鏡で見ると顔つきがほっそりとした阿弥陀如来で金箔で阿弥陀定印を結んでいる。増上寺にはほかに安土桃山時代の釈迦三尊や十六羅漢があるが三解脱門上に祀られているため拝観はかなわなかった。大門外の居酒屋で食事をしながら今日の仏像について語り合う仏像クラブの面々だった。


2018年5月20日日曜日

特別展名作誕生②(成相寺の薬師如来)

今回の名作誕生展では展覧会に出たことがない仏像も多く展示されていた。
一番気に入ったのがこの成相寺の薬師如来だ。成相寺は淡路島にあるお寺で図録によると高野山の僧実弘により再建されたことが伝えられるがそれ以前から寺院の存在は確認されているとのこと。盛り上がった頭部や、やや険しい表情、脚部に現れる衣の襞をY字形に整える表現などはこの展覧会のテーマである「つながる日本美術」からみると唐招提寺薬師如来に端を発し、元興寺像など、各地に広まった薬師如来像にならう姿であるとのこと。衣の襞は彫りが浅く体躯の厚みも薄くなっている。平安時代中期から穏やかな表現の仏像が増えていくが既にその傾向がうかがえる。私も友人も今回の展覧会一番気に入った仏像の原因がその点にあるかもしれない。大倉集古館普賢菩薩の普賢菩薩も気になるので次の展示に向かった。

2018年5月12日土曜日

特別展名作誕生①

先週のGWの後半、上野の東博に「特別展名作誕生 つながる日本美術」を
鑑賞に出かけた。昨年の「運慶展」や正月の「仁和寺展」のように仏像が多く出展されるのではないので興味がなかったが、サイトで詳細を知り多くの珍しい仏像が出展されるまたとない機会であることを知り急遽でかけた。サイトによると最初のコーナーは「祈りをつなぐ」で鑑真ゆかりの木彫や美麗な普賢菩薩など仏教美術の白眉を展示しており名作誕生と個々のつながりを追っていく展示となっている。平成18年に「特別展仏像 一木にこめられた祈り」が開催され多くの素晴らしい仏像が上野に集まったようだが、私は鑑賞できなかった。あとから芸術新潮でその詳細を知り残念に思っていたが、今回はその縮小リメイク版になっており、そこで出展されていた仏像や新たに見いだされた仏像も展示されていた。白壇で製作された仏像とそれに似せて作ったカヤの一木造りのつながり、鑑真が中国の工人に造らせた仏像とそれにつながる平安前期の名作仏像が分かりやすく展示されてよかった。宗達や若冲などの名作も一緒にみられ少々つめこみすぎた感はいなめないが、見ごたえのある展覧会となっていた。東博ではこの時期開催の「平成30年新指定国宝・重文展」も開催されており、壇蜜の音声ガイドをじっくり聞きたかったが素晴らしいと評判の図録を購入して平成館をあとにし、本館に向かった。

2018年5月5日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ⑦(神呪寺の如意輪観音)

最近の私の旅の目的はその土地の秘仏を御開帳日に見ることとなっている。
大阪弾丸ツアーでは日本三大如意輪のひとつである観心寺如意輪観音の御開帳日が土日になったときに合せて行ったし、近くは三重県伊勢の千手観音の御開帳日にも三重を旅行した。要は秘仏好きであり尚且つその中でも如意輪好きなのである。今回の仁和寺展は正に秘仏のオンパレードであり、ここに紹介する神呪寺(しんのうじ)の如意輪観音も日本三大如意輪のひとつとのこと期待していた。神呪寺の如意輪観音も観心寺像と同じく六臂で右側第一手を頬にあて「いかにして衆生を救うか考えているところ」だが観心寺像のように目を見開き一生懸命考えているのではなくけだるそうに頬づえをしているように見えるところが一気に会場の雰囲気を和ませる癒し系の仏像だ。第二手は宝珠を手に乗せ第三手は下方に伸びているが数珠は無くしたようだ。左側の第一手は人差し指を天に向け輪宝をのせており、お寺では写真のように縦にのっているが、会場では間違えたのか横になっていた。第二手は蓮華を持ち、そして三番目の手は腕を伸ばし手を伏せて蓮台の上面をおさえている。この仏像の最大の特徴は観心寺像のように足裏を合わせるポーズが一般的だが、左脚部が右大腿部に乗っていることだ。会場の最後のほうにこの仏像を展示する東博学芸員の心憎い演出にはまり会場をあとにした。

2018年4月30日月曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ⑥(観音堂)

今回の仁和寺と御室派のみほとけ展の最大の見所が江戸時代に再建された観
音堂の展覧会場での再現だろう。普段非公開の観音堂を修復を期に中にある千手観音・降三世明王・不動明王・二十八部衆・風神・雷神像を展示、壁画の写真を背景に展示する試みだ。また写真撮影もOKとのこと、期待していた。会場は物凄い人で皆さん撮影に夢中だった。私もなんとか撮影しその後写真でじっくり味わった。江戸時代の再建時に降三世明王は東寺講堂より二十八部衆は三十三間堂からほぼ忠実に再現している。図録によると日光中禅寺や輪王寺を手掛けた七条仏師二十三代である康音の作風に通じるところがあるという。最近の東博の傾向としては必ず撮影スポットが設定される。今後の展覧会でも期待したいと思う。