2010年10月3日日曜日

仏像クラブ活動報告(一目惚れした弥勒菩薩)

平成20年春に京都太秦広隆寺を訪れた。国宝第一号の弥勒菩薩に会うの
が目的だ。新霊宝殿に入る。広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟(ハンカシユイ)像に出会った瞬間、私は不思議な感覚に落ちた。あまりの美しさに眼を奪われ心揺さぶられる感覚に陥入った。俗に言えば弥勒様に一目惚れしてしまった。少年のころのような甘くて切ない感覚がよみがえったようだ。まさに心の一仏との出会いだった。弥勒菩薩像は顔立ちから指の先まで繊細でとても美しい仏だ。吊り目の鋭さを消しているのは、奥ゆかしく伏せた顔。端を軽く上げた唇は微笑みをみせている。新霊宝殿は昭和57年に完成した建物であるため、余計なガラスケースもなく仏像と正座して対面できるようなスペースを設けられている。それがまた弥勒菩薩と私の距離を近くしたようだ。新霊宝館を出るとU案内人は講堂にもいい仏があると言って向かったが、あいにく閉まっていて隙間から拝観した。後で写真集で調べてみると、国宝阿弥陀如来坐像(平安時代作)が安置されていた。立ち去りがたい思いを胸に広隆寺を出てその日の宿に向かった。

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