2011年2月18日金曜日

運慶の大威徳明王

今回の運慶展宣伝文句は「初めて出会う三体の大日如来/初作と最晩年作」とのことだ。金沢文庫で運慶展が開催される理由になったのが、この最晩年作の大威徳明王だ。金沢文庫に併設された称明寺光明院で発見された。平成十九年にその納入品の奥書から運慶の記載がみつかった。大威徳明王は六面六手六足で水牛に乗る姿が東寺の像で確認できるが、本像は破損してなくなっている部分が多い。想像以上に小さい像だが、太づくりで引き締まった体つきとそのお顔の恐ろしげながらも端正な趣はさすが運慶だ。山本勉先生によると奥書に大日如来・愛染明王とセットで作成されたとのこと。まだ発見されてない運慶作品に思いをはせた。

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