2011年4月29日金曜日

白洲正子神と仏、自然への祈り展②(神像のような十一面観音)

白洲正子神と仏、自然への祈り展で私が期待していた仏像が、神奈川伊勢原宝城坊の薬師三尊、海住山寺の秘仏十一面観音とこの三重観菩提寺の十一面観音だ。残念ながら伊勢原宝城坊の薬師如来は地震の影響か出展されなかったが、この仏像は三十三年に一度の御開帳が昨年にあたり、そのまま展覧会に出展されることになった。思ったより顔が小さかったが、2メートルある堂々とした観音だ。白洲正子も代表作「十一面観音巡礼」のなかで「***神秘的な印象を受けた。仏像というよりも神像に近い感じだ。」とのべている。私が見入っているとU案内人がぽつりと「くちびるに色が残っている」とつぶやいた。平安仏だがいまでも色が残るのは秘仏だからだろう。ふだんは木津川沿いの古刹観菩提寺の厨子の中にあり、展覧会に出展されなければまずおめにかかれない仏像だ。私は飽くことなくこの十一面観音をながめていた。

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