2011年5月21日土曜日

運慶の観音菩薩・地蔵菩薩

今週ネットをチェクしていたら、「三浦三十八地蔵尊卯年御開帳」のポスターを見つけたのでさっそく本日三浦にでかけた。まず向かったのが昨年の3月に訪れている「満願寺」だ。ここには運慶作の観音菩薩と地蔵菩薩があり、「春の文化会」のみに御開帳される。今度の御開帳では4月24日から5月24日まで一ヶ月間収蔵庫が開かれていた。私が訪れてたときは参拝客がほとんどなく、収蔵庫の中で運慶の観音・地蔵を独り占めできた。堂々たる体つきは同じ三浦の「浄楽寺」にある阿弥陀三尊に通じるところがあり、先行して造られたと考えられている。今回じっくり拝観できたので、いろいろな発見があった。観音像のおなかはでっぷりとふくれていること、観音像の腕につけてある臂釧(ひせん)が今年の冬に見た「運慶展」に展示されていた「滝山寺装身具」に通じるところなのだ。研究者によると、もともとは丈六の本尊がありその脇侍だったとか、初めから2体で地蔵と観音をセットにした航海の安全や安産にご利益がある、放光菩薩思想からきているといわれている。海の安全を祈った三浦氏の一族佐原氏の菩提寺である満願寺からすると後者のほうがうなずける。うららかな初夏の日差しに恵まれ満願寺で鎌倉のもののふたちの思いを感じた一日だった。

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