2012年5月12日土曜日

曹源寺の十二神将

このたびの新指定・国宝・重要文化財のなかには、仏像クラブの面々におなじみの横須賀曹源寺の十二神将が含まれている。運慶研究家の山本勉氏も注目しているのが十二神将の中の巳神でひとつだけ他の作品と趣がことなる。頬や下あごの張りを強調した勇ましい顔つきが、静岡願成就院の毘沙門天像に通じるといわれている。今回の展覧会ではその巳神を中心にして回りに他の十二神将を配する展示となっている。U案内人と見るたびに運慶の作品ではないかと熱く語り合った仏像が重要文化財に指定されたのは喜ばしいことだ。曹源寺は三浦氏の伝説が残る「満願寺」にも程近く、運慶及び慶派仏師とそれを庇護した三浦氏との関係が思いおこされる。効果的にライトアップされた十二神将を堪能してから東博本館をあとにした。

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