2014年3月9日日曜日

弘明寺の十一面観音

本日(3月8日)仏像クラブで初めて弘明寺を訪れた。年末の仏像クラブの忘
年会のおりにぜひ拝観したいと会員の中から意見があり、急遽計画した鑑賞会だ。調べてみると、弘明寺は坂東三十三ケ所観音札所のひとつで今年は午年大開帳とのこと。本堂入り口で拝観料を払い記念のミサンガのような縄をいただき、観音様の前に向った。目の前に鉈彫りの十一面観音が厨子のガラス越しに見えた。係りの方によると普段は直接拝観できるが、文化庁の担当者が来るため本日は締めているとのこと。ガラス越しにもすばらしさは十分伝わった。像高180センチと思ったより大きく、鉈彫りが見事だ。彫りかけた途中で手を止めたかようなノミ目を意図的に残す鉈彫り表現の初期の傑作だ。とても穏やかな顔つきで、心和ませてくれる。鉈彫りが登場したのは平安中期で、定朝に代表されるような温和な作風へと、人々の好みが移ったころに製作されたからだという。心穏やかになり本堂を出た仏像クラブの面々であった。

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