2014年3月1日土曜日

VR作品興福寺国宝阿修羅像

今週の日曜日,東博に「VR作品興福寺国宝阿修羅像」を鑑賞しに行った。
東洋館の地下一階にある「TNM&TOPPANミュージアムシアター」では大スクリーンにバーチャルリアリティな阿修羅や八部衆が映し出され、ナビーゲーターと呼ばれる語り手の説明により映像を鑑賞する仕掛けとなっている。スクリーンに映し出された「阿修羅」は本物と見まごうばかりに精巧にできているのには驚いた。2009年に「国宝阿修羅展」で流していた阿修羅VR作品の20分バージョンより、格段と技術が進歩して40分バージョンになっている。またナビゲータのゆっくりとしたおちついた解説がここちよく、阿修羅や八部衆の世界にどっぷりと浸かれた。ナビゲータの説明で阿修羅の3つの顔の表情は自分の過ちを仏に懺悔(ざんげ)し、内面を見つめ、仏教に帰依することを決意するという心の変化を表しているとか。阿修羅像には熱心な仏教徒であった光明皇后の最愛の母への思いと心のよりどころとした「金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)」の教えが表れていることなどが語られた。欲を言えば阿修羅や八部衆の童子形の理由がわずか1歳で亡くした「基(もとい)皇子」への光明皇后の思いが重ねられていることが語られればよかった。VR作品を見終わってここちよい余韻にしたりながらミュージアムシアターを後にした。

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