2014年7月20日日曜日

興福院の普賢菩薩

昨日、元箱根の興福院に仏像クラブの面々と出かけた。興福院には平成23
年に鎌倉国宝館で開催された特別展「鎌倉×密教」に出展された普賢菩薩がある。「鎌倉×密教」展には肥後定慶作不動明王を初め多くの仏像が展示されたが、そのなかで印象に残った仏像のひとつで、いつか再会したいと思っていた。生憎の雨模様だったが、お寺のお嫁さんがこころよく弘法堂を開けていただき、ガラスケースに入っている普賢菩薩と対面した。手には経典と剣を持ち髻(もとどり)は運慶の大日如来のように華やかに結い上げることから慶派仏師の作だと思われる。頭と体の大きさのバランスがよく、衣文を波立たせているなど、慶派仏師の力量をよく表している。お堂の中は電気をつけてはいただいたが、うす暗いのが、目がなれたことによりこの仏像の素晴らしさが伝わり思わずうなってしまった。像底の銘文からこの像が普賢菩薩であり肥後定慶活躍時期と近い制作年代であることから、肥後定慶作ではないかと思った。また機会があれば鎌倉国宝館や金沢文庫に出展されることを期待して、お寺を後にした。

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