2016年10月8日土曜日

平安の秘仏展③(地蔵菩薩)

平成24年秋に櫟野寺を訪れた際、本尊以外で1番気に入ったのがこの地蔵菩
薩だ。東博のインスタグラムに会場の様子が載っていたが、照明で金色が光る地蔵菩薩が写っていた。図録を読んではじめて知ったのだが、こちらは櫟野寺の末寺である寛沢寺(地蔵寺)の本尊で、数千人の人々に浄財を募る「勧進」により造られた仏像だ。頭から体は一木その他は別材を組み合わせた一木から寄木に移行する時代につくられた仏像だが、穏やかな表情や薄い体躯のつくりに平安風が残っているという。私もこの表情にグッときた。音声ガイドみうらじゅん・いとうせいこうの櫟野寺仏像トークの中でもこの地蔵菩薩を取り上げており、本の見仏記の挿絵で「グッとくる地蔵パワー」との紹介されている注目の仏だ。平成30年の秋に33年の一度の大開帳があるとのパンフレットを甲賀市職員の忍者から出口の甲賀市の会場特設ショップでもらったので、そのおりは甲賀三大佛とともに参拝したいと思う。日ごろの喧騒を忘れ穏やかな気持ちで会場をあとにした。

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