2017年1月21日土曜日

禅-心をかたちに展②(方広寺の釈迦三尊)

昨年のことになるが、「禅-心をかたちに」展で静岡浜松の方広寺の宝冠釈迦如
来と再会した。今回は文殊菩薩と普賢菩薩も展示されて三尊での鑑賞となった。製作は南北朝時代院派の院吉・院広の銘がある。慶派全盛の鎌倉時代をすぎ南北朝時代の為政者足利尊氏にいちはやく結びついたのが院派だ。山本勉先生の「別冊太陽仏像」によると、「癖の強い面貌、箱を積み上げたような体形、曲がりのつよい曲線を多用する衣文など、様式的な特徴がきわだっている。」とのこと。鎌倉幕府とつながりがつよかった慶派をきらった足利氏が院派にいままでにない仏像の制作を要望したのだろうか。山本先生も「飛鳥時代以来各時代に特色ある美しさを達成してきた日本の仏像の栄光の歴史を知る者には、いささかなじみにくいものがある。」と言っている。会場ではライティングがすばらしく違和感を感じさせない展示だった。今回は文殊菩薩の獅子と普賢菩薩の象の展示がなかったので、いつか機会があれば方広寺を訪問したいと思う。

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