2017年11月3日金曜日

運慶展⑤興福寺康慶作四天王

運慶展の第一章「運慶を生んだ系譜」の見どころは康慶の四天王像だろう
。平成21年の春、開催された「国宝阿修羅展」で360度拝観できたが、今回は横一列に並んだ展示だった。東博お得意の露出展示で明るい照明に照らされ布地の柄までハッキリ見える。像高は2メートル近くあり現在は中金堂に安置されているが、もともとは南円堂の不空羂索観音の眷属(けんぞく)として造られた説がある。私も南円堂を拝観したことがあるが、4メートル近い不空羂索観音にふさわしい迫力のあるお像だ。四天王は右手に宝珠、左手に剣を持つ持国天、右手に戟、左手に剣を持つ増長天、右手に羂索、左手に剣を持つ広目天、右手に多宝塔、左手に戟を持つ多聞天である。それぞれ決められた色で塗り分けられて見飽きない仏像だ。来年秋の中金堂落慶のおりにどこに安置されるか楽しみしている。その際はまた奈良を訪れたいと思う。

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